loader image
コース

Course

磨カントリー倶楽部は人吉市から車で20分足らず。
球磨盆地の真ん中、理想的な起伏と高低差の丘陵に位置する。「薩摩」「日向」「肥後」の性格の異なる3つのハーフは、どの組み合わせも興味深い。

薩摩
日向の18ホールの開場は昭和48年(1973年)。
設計者はゴルフコースに特化した安達建設で活躍した鈴木正一である。
鈴木は第二次大戦後、安達建設で、井上誠一、佐藤儀一、上田治といった日本のトップクラスのコース設計家から実際の建設プロジェクトを通して設計思想と技法を学び、日本の方々に名コースを残した。球磨もその一つである。

肥後
の9ホールは昭和63年(1988年)オーナーの海老原寿人の設計で開場。海老原は立教大学ゴルフ部で活躍後、米国カリフォルニア州サンディエゴのゴルフアカデミーでゴルフ設計の基礎を学んだ後、安達建設に入社しゴルフ場造成の実務と設計を鈴木正一の下で習得した門下生のひとり。
在米中は各地の名コースを多数訪問して知識、見識を深めた。水戸グリーンCCに続く第2作がこの肥後コースである。
その後平成4年(1992年)には日本のベスト20にランクインされた青森県の夏泊ゴルフリンクスの設計をした。

ハーフの印象的なホールを紹介するまえに全体的印象をのべると、薩摩日向は雄大でダイナミック。
九州地区は海沿いの一部のゴルフ場を除くと地形の関係でアップダウンが激しかったり、狭い印象が強いが、大型重機のない時代に作られたにしてはほどよい起伏とホール間の広さはプレーして気持ちがいい。対して肥後はもともと地形に高低差がなく、樹林も深く、ドックレッグホールも多く多様性と戦略性で関東地方の名門コースの趣を感じる。

日向のスタートは緩やかな下りの球磨盆地を望む景色のいいホール。オープン当時はパー5だっただけに距離が長く攻略は簡単ではない。
2番、4番と打ち下ろしと打ち上げと距離以上にタフな印象。
5番は距離のあるドライブ&ピッチのきれいなホールだが、ティーショットの場所次第では乗せるのが困難になる。面白いのは残る7番ショートと8,9と連続するロングホール。
9番は以前は上りのややきついミドルだったが、現支配人で当時グリーンキーパーだった甲斐田の発案でロングとなり格段にいいホールに変身した。

薩摩
は4番、5番、6番と平坦なホールが続いたあとの7番の打ち下ろしで川越えがあるロングホールが名物。オープンまもない昭和51年(1976年)に開催された日本プロゴルフ選手権の際、バックティからアゲンストの場合、川を越えられないのではとの判断でOBを急遽赤杭としたエピソードがある。
また最終9番は、距離のあるタフなホールでトーナメント開催の折には見ごたえがある。

肥後はやはりスタート1番IP先にある木が印象的。FWの右半分にいったら木が邪魔するし、かといって左は大きなバンカー。
手ごわいスタートホールである。2番は右にドックレックするやや打ち下ろしのロングホール。
7番ロングが左ドックレッグと好対照。3番は左ドックの短いドライブ&ピッチだが、グリーンまえに巨木がそびえ簡単にはいかない。4番グリーン左は深いバンカーが、5番ショートは池ごえだが、グリーンは奥に下っているなど、一見やさしそうでいながらスコアメイクはむずかしい。
7番の高低差のあるグリーンのあと8番のショートも名物ホールといってもいい。景色と攻略性のバランス。
最終ホールはやや距離が短いが左右に5つのバンカーが待ち受けておりティーショットの正確性が要求される。

球磨カントリー倶楽部の生い立ち

HISTORY

1976年9月。
日本プロゴルフ選手権がここ球磨CCで開催された。
先代社長である父がこのゴルフ場をオープンしたのが、1973 年4月、38歳の時。
そのたった3年後の開催でした。

ちょうどその年、私は立教大学体育会ゴルフ部に入部し、大会の運営の大変さもなにもわからず、
その期間中ゴルフの師匠であった橋本和夫プロのバックを担いでキャディをしていました。
初日、首位は6アンダーの金井清一と宮本康弘、2打差に尾崎将司。2 日目は宮本が8アンダーで単独首位になるもその後混戦模様となり、大会史上最多4人(安田春雄、謝敏男、榎本七郎、金井清一)のプレーオフを制した、金井清一プロが優勝をかざりました。金井プロとは姉妹コースの新潟県にある松ヶ峯CCの近くのご出身という縁もあり、その後ずっと懇意にしていただいております。

ゴルフ場造成が始まる当時、宮崎側から人吉に入る旧加久藤峠の道が一部しか舗装されてなく、ブルドーザーを載せた運搬トラックが走行困難となり、
一部自走で走りながら搬入したときたまたま同行していたので、思い出深いものがあります。
ゴルフ場そのものは地元錦町の誘致企業ということで、土地の取りまとめもして頂き、現在に至るまでご支援いただき、
また当時地元ではゴルファーは数十名しかいない中、会員券を購入いただきながらの造成工事と、たいへんお世話になり感謝しております。

コース紹介

Course Introduction

コース全体

設計:鈴木正一(薩摩/日向)
   海老原寿人(肥後)

コース開場:昭和48年4月29日

コース規模:27ホール   10,359ヤード  パー108

コースヤード/コースレート/スロープレート
■男子(Back)
-薩摩・日向/7,033/74.0/136
-日向・肥後/6,851/73.1/134
-肥後・薩摩/6,834/72.9/133

■女子(Front)
ヤード/コースレート/スロープレート
-薩摩・日向/6,143/74.7/133
-日向・肥後/6,011/73.5/130
-肥後・薩摩/6,030/73.8/131

コースギャラリー

GALLERY